和菓子が繋ぐラグジュアリー。

 お寿司屋さんは、こちらも老舗らしく
落ち着いた雰囲気のお店で高級感が溢れていた。
 セレブ達の御用達らしい。

中に入るとカウンターの席に座った。
 すると着物姿がよく似合うダンディな感じの
高齢男性が、おしぼりとお茶を差し出してきた。
 名誉院長先生とまた違うタイプのイケメンな方だ。

「大将。今日のオススメは、なんですか?」

「そうだな。いいマグロが手に入りましたよ。
中トロや大トロにしたら最高に旨い」

「じゃあ、それを……彼女にも」

恵斗さんは、オススメを聞いて私にも注文してくれた。
 しばらくして大将が握ってくれたマグロは、
確かに油が乗っていて美味しい。
色も綺麗な赤だし、食べるとスルッと溶けるようだ。

「美味しい……溶けそうに柔らかいわ」

「だろう?僕もここのマグロ好きなんだ」

 ニコニコしながら話す恵斗さん。それ以外にも
自分がオススメする寿司を注文してくれたり話かけてくれた。

華京院さんと違って話しやすい人だった。
 華京院さんは、ぶっきらぼうなところがあるけど
恵斗さんは、物腰が柔らかいせいか話がしやすい。

こう見ると対照的だ。でも……何故だろうか。
 華京院様は、ぶっきらぼうでドSだし
近寄りがたい雰囲気があるのに……。
 今でも何だか放っておけない気がしてならない。
それが好きってことなのかしら……?

女将さんの言葉を再確認させられる。
 すると誰かが入ってきた。
着物姿で、こちらもまたかなりのイケメンだ。
 明るい茶髪にピアスをしているし、ちょっと
チャラそうだが顔立ちがいい。

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