和菓子が繋ぐラグジュアリー。
しばらく経つと華京院様が戻ってきた。
急いで買ってきたのだろう。息を切らしていた。
「待たせたな。これ……新しい草履だ。
あとその呉服屋で絆創膏も貰ってきたから」
「あ、ありがとうございます……」
わざわざ絆創膏まで頼んで貰ってくるなんて!?
彼の気遣いに驚かされてしまう。
すると華京院様は、しゃがむと絆創膏を取り出して
擦りむいたところに貼ってくれた。
貼ってもらう時……心臓がドキドキと高鳴ってしまう。
貼り終わると華京院様は、新しい草履を揃えながら
私を見てきた。
「ところで何で恵斗と一緒に食事に行ったんだ!?
話を聞いて驚いたぞ。お前は、俺の婚約者なのに
その自覚はあるのか?」
「そ、それは……恵斗さんに誘われて……その……」
怒りをぶつけられてしまった。
私は、理由を話そうとするが何て言ったらいいのだろうか?
女将さんに薦められてだが言ったのは、自分だ。
それに……華京院様は、何故そんなに怒っているの?
それは、私が婚約者のふりでも義務を果たせてないから?
不安そうに華京院様を見る。
そうしたら華京院様は、深いため息を吐いてきた。
「……違う。それだと俺に止める権利はない。
ただ俺は……お前が恵斗と一緒に食事に行ってほしくなかったんだ」
「そ、それって……」
その言い方だと華京院様は、私と恵斗さんが
食事に行ったと聞いて嫉妬したように聞こえてしまう。
華京院様は、恥ずかしいのか耳まで赤くなっていた。
すると頭をかきながら恨めしそうに私を睨み付けてくる。