和菓子が繋ぐラグジュアリー。
「これは、嫉妬だ。悪いか!?」
何故だか逆ギレされてしまった。
しかし、それが恥ずかしいのか、さらに
顔を真っ赤にして隠してしまった。照れてる……。
「いえ……悪くありません」
その姿は、照れ隠しなのか怒っているのか
分からないけど……この際どうでもいい。
何故だろう。私は、彼が可愛いらしくて仕方がないと思った。
ドSでカッコつけているくせに
必死になって自分の気持ちを隠しているように見えて
ちょっと情けなくて可愛い。
普段なら出来ないのに私は、思わず華京院様をギュッと抱き締めてしまった。
すると華京院様は、驚きながらも抱き締め返してくれた。
そして誰か見ているか分からないのに
顔を見合わせると、どちらともなく触れるように
キスをしてしまった。
唇を離すと華京院様は、立ち上がる。
そして私に手を差し伸べてきた。
「立って新しい草履を履け。ここだと人目がある。
移動するぞ……」
「は、はい」
私は、照れながらもその手を取って草履を履いた。
白色の草履だが鼻緒が薄いピンクになっており
上品で可愛いらしい感じの柄だ。高そう……。
すると華京院様は、私の手を引いて歩き出した。
今度は、転ばないように歩く速度を合わせてくれた。
繋がられた手から汗が出るぐらいお互いにドキドキしていると感じた。
強引だけど、その手は嫌じゃない。
そして華京院様が向かった先は、低層レジデンスだった。
レジデンスは、一戸数億円を越えると言われている
高級マンションのことなのだが、セレブ達が住んでおり
中には、広場もあるし24時間コンシェルジュも在中しているらしい。