和菓子が繋ぐラグジュアリー。

「やっぱり和菓子で茶会の定番と言ったら
“ねりきり”だろう。ウチでは、それをよく作り持っていく」

「そうですよね。やはりねりきりが定番ですよね」

“ねりきり”とは、生菓子の1つだ。
 上生菓子はしっとりとして食べ応えがあり
口当たりが滑らかで味わい深い風味を持っている。

 色も数多くあり四季折々の花や草などがあり
そのため茶席では、お茶とのセットで出されることで有名だ。

 如月でもそれを楽しみにしている常連客も多いし
作り方を見ていてもまるで芸術品みたいに見事だ。
 特に盛岡さんの技術は、それを秀でている。

 私もねりきりを見て感動した。
それが影響して和菓子職人を目指すようになったぐらいだ。

「あの……私もそれを作りたいです。作り方を教えて頂けませんか?」

 せっかくなら、私を作るねりきりを見たり味わってもらい
もっと日本の良さを知ってもらいたい。
日本をもっと好きになってもらいたと思った。

「もちろんだよ。厳しいけど、最後までついて来れるか?」

「はい。頑張ります!」

 弱音を吐いてはいられない。
華京院様のためにもみっともない姿を見せたくない。
 私の出来る精一杯のやり方でやろうと思った。

そしてねりきりの作り方を学ぶことになった。
 本番は、自分の手で作れるまでになりたい。

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