和菓子が繋ぐラグジュアリー。
そして黄色い白あんを裏漉し器で漉すと箸で摘まみ
ソッと窪みにした部分に乗せる。
次に小さな白あんに白ゴマをつけてその上に乗せる。
後は、窪みの白あんの花びらの部分をハサミを使い
形を整えながら切る。ここが難しい。
失敗すると変な形の花びらになってしまうから
「出来た!うーん。ちょっと歪かしら?」
そう言いながら悩んでいると盛岡さんが
同じように作ったのを見る。凄い……綺麗。
匠の業は、修行をしないとなかなか出来るものじゃない。
私は、休憩や時間を作り何度も練習する。
他にも技術がいる花もあるし1人で作るには、
何度も練習しないと間に合わないだろう。
それに作法の練習もあるし……。
私は、不安や焦りで押し潰されそうになる。
今日も残業して1人で練習をしていた。
すると入り口が開く音がした。女将さんかしら?
従業員の人は、皆帰ったはずなのに……。
そうしたら厨房に入ってきたのは、華京院様だった。
「か、華京院様!?」
「夜遅くに練習していると聞いてな。
そんなに遅くまで練習して大丈夫か?」
どうやら私を心配して様子を見に来てくれたようだった。
嬉しいが、恥ずかしい……。
「だ、大丈夫です。私……トロいから
これぐらい練習しないとベテランの先輩方に追い付けなくて」
華京院様に見られたとなると緊張してしまう。
モジモジしながらハサミを使い花びらを切っていく。
だが緊張のあまり自分の指を切ってしまう。
い、痛い……!!
「何をやっているんだ!?大丈夫か?」