和菓子が繋ぐラグジュアリー。

 華京院様は、慌てて私に駆け寄ってきた。
左手を掴まえられ確かめられる。
 ドキッと心臓が高鳴りだした……。

「指から出ているな。ちょっと待っていろ!
今、絆創膏を持ってくるから」

そう言うと急いで奥に行くと救急箱を持ってきた。
 そして私の左手の人差し指に絆創膏を貼ってくれた。
その間もドキドキと心臓が高鳴る。

「あ、あの……ありがとうございます」

「まったく。無理をするなよ?
頑張り屋なのは、分かるが無理して怪我や倒れたら大変だからな」

「はい……」

 何故だろうか。華京院様の呆れながらも
心配してくれる優しさに嬉しくなりホッとする。
そうしたら涙が溢れてきた。

 何処かで無理をしていたのかもしれない。
責任があるしプレッシャーも大きい。
 いくら頑張ろうとしても自信のない私には、プレッシャーが大き過ぎる。

すると華京院様は、私をギュッと抱き締めてくれた。

「心配するな。もし失敗しても俺が責任を取る。
  お前をけして離したりしない……。
だからお前のやりたいようにやればいい」

 その優しく温かい言葉に私は、救われる。
何より嬉しいと思った……。

涙を流しながら華京院様の胸の中で顔を踞る。
 そんな私を華京院様は、ずっと抱き締めてくれた。
改めて私は、この人が好きだと思った……。
 だから成功させたいと改めて心に誓うのだった。

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