和菓子が繋ぐラグジュアリー。

 茶杓を握り込んで、棗の蓋を閉めると棗を元の位置に戻す。
 そして茶杓を棗の上に置き湯を茶碗に入れる。
初めに茶をなじませるように茶筅を突くように入れ
 その後、前後に振り、細かい泡が立ったら
「の」の字を書いて茶筅を抜き、茶筅を戻す。

 お茶の表面を全て、細かい泡がふっくらと覆うように点てる。
 茶筅を抜くときに真ん中が盛り上がるようにするのが
ポイントだ。
 ちなみに点て方や作法は、流派によって様々だ。

お茶を出す前にお茶菓子も私が作ったのをお出しした。
 VIPの方々は、点て方や茶菓子のねりきりを見て
感動したり喜んでいた。

 そして美味しい、美味しいと食べていた。
どうやら好評だったみたいだ!
 私は、ホッと胸を撫で下ろした。

そして次にお茶をお出しした。
 作法に戸惑うVIPの方だったが華京様のを見てから、
見よう見まねでやっていた。

 右手で茶碗をとり左掌にのせ
右手を添えて軽く茶碗を上げ感謝を示す。
 茶碗の正面でいただくことをさけるため、右手で
時計回りに2度回して静かに味わいながらいただく。
 最後のひとくちは、音をたてて吸いきる。

 茶碗の飲み口を右手親指と人さし指で軽く拭き
両指を懐紙で清めます。
 茶碗を反時計回りに回して、正面を戻して右手で置く。

 飲み方なども流派によって微妙に違うが
ほとんど変わりはない。
 ちなみに私の点てたお茶は、真ん中がぷっくりと盛り上がっており
口当たりは、泡がきめ細かいので軽くてやわらかく
味もまろやかになっている。

「おーこれもまろやかでオイシイ」

VIPも満足したように笑顔になっていた。
 良かった……気に入ってくれたようだわ。

 ホッとしながら華京様を見ると
何だか驚いた表情でこちらを見ていた。
 華京院様の会長夫人もだ!
あれ?私……何か不味いことでもしたかしら?

何だか華京院様の表情に不安になってくる。
 心配になり女将さんを見ると……えっ!?
女将さんの隣に私の祖母が一緒に立っていた。

お……お祖母様!?

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