和菓子が繋ぐラグジュアリー。

 それが、こんな形で華京院様と関わるなんて
夢にも思わなかった……。
 すると女将さんは、会長夫人の方を見た。
会長夫人は、ピクッと肩が反応する。

 「静香さん。花恋ちゃんは、蓮見家として……いえ
私の大切な親友の孫娘として大切大切に育てられてきました。
 気品もマナー、そして純粋で頑張り屋な性格。
どれも素晴らしいものだわ。
 そういう方こそ華京院家の嫁として申し分ないんじゃないかしら?」

「は、はい。おっしゃる通りです」

 さすがの会長夫人も女将さんには、敵わないようだ。
それもそのはずだ。会長夫人の姑になるのだから……。
 ということは、私達は、婚約者として正式に認められたことになるのね!?

私は、嬉しくなり華京院様を見る。
 華京院様は、ちょっと複雑そうな表情をしていたが
私を見るとニコッと微笑んでくれた。

良かった……本当に。

そして無事にお茶会が終了する。
VIPの方も喜んでくれたし結婚も認めてくれた。
安心したがドッと緊張が解れて疲れてしまった……。

 私は、そのまま華京院様の自宅に向かった。
やっと2人きりになれた……。

「ふぅ……疲れた。しかし本当に驚いたぞ。
 花恋が、まさかの蓮見流の家元も孫娘だなんて
まったく……お前のギャップには驚かされたもんだ」

 華京院様は、ため息を吐きながらネクタイを緩め
乱暴にソファーに座った。
どうしよう……怒らせちゃったかしら?

「あの……すみません。こんな大事になるとは。
華京院様には、話しておけば良かったですね……」

私は、しゅんと落ち込みながら謝った。

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