和菓子が繋ぐラグジュアリー。

「よし、持って行くお土産のお菓子も決まったから
これで決まりだな!
花恋。今度の日曜日にお前の家に行くからな」

「は、はい。分かりました!」

 華京院様が張り切って言うので何だか不安になった。
本当に大丈夫なのかしら?
 しかしその不安は、本当に現実のものになった……。

 それは、待ちに待った日曜日の日だった。
私は、連絡を貰うと玄関のそばで待っていた。
 すると華京院様が運転手付きのリムジンの車から降りてきた。

 いつもスーツをカッコよく着こなすが
今回は、さらに気合いが入っているように感じた。
 しかし華京院様は、自宅を見ると目を見開きながら驚いていた。

「ここがお前の家か?」と言いながら……。

「はい。そうですが……?」

 すると唖然とした表情で私を見てきた。
えっ……何故?
 私は、きょとんとしているとため息を吐いてきた。

「お前……どれだけお嬢様だよ?
こんな屋敷みたいな家は、料亭や旅館しか見たことがないぞ」

えぇっ……!?
 でもベリーヒルズビレッジのような派手さも豪華さもなく
シンプルな和風の家なのだが。

「でも……和風のシンプルな家ですよ?
華京院様のところの豪華さもありませんし……」

「それは、ウチが洋風だからだ!
こんな庭も立派で敷地も広い旅館みたいな家に住んでいて
よく謙虚で居られたな?普通なら滲み出てくるぞ」

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