和菓子が繋ぐラグジュアリー。
するとまた驚いた表情をするが、その瞬間
落ち込んだような深いため息を吐いてきた。えっ……?
「もうこれ以上驚くことはないと思ったが、まだあったのか……。
朝比奈流は、海外でも注目されている名家中の名家じゃないか。
お前ん家は、どれだけ隠し持っているんだ?」
何だか余計に驚いてしまったようだ。
えっ……でも朝比奈流と言っても父は、家元じゃないし。
事実父は、次男で蓮見家の婿になったので家元ではない。
朝比奈流は、父の兄である伯父様が継いでいる。
次期跡継ぎも伯父様の息子であるイトコが継ぐから
私には、直接関係のないことだ。
なのであまり気にしていなかったのだが……。
「すみません……何か気に障りましたか?」
「いや……そういう訳では……」
しかし、その時だった。
「お姉様!」と私を呼ぶ声が聞こえてきた。
声をする方にふり向くと弟の亜蘭だった。
「あら……亜蘭」
すると急いで私のところに小走りで向かって来ると抱き付いてきた。
そしてキッと華京院様を睨んできた。あ、亜蘭……!?
華京院様は、驚いた表情をするが同じく睨み返した。
「お前か!?お姉様に近づく悪徳な偽物婚約者は!!」
「はぁっ?偽物?誰だ……コイツ?」
急に悪徳だの、偽物婚約者だのと言ってくる亜蘭に驚いてしまう。
何を言っているのよ!?
婚約者なのは、両親に話す時にちゃんと説明して知っているはずなのに……。