和菓子が繋ぐラグジュアリー。
「華……じゃなかった蓮様。すみません。
弟の亜蘭です。ちょっと亜蘭。蓮様に失礼でしょ?」
「失礼なのは、この男ですよ!お姉様。
純粋で優しいお姉様をたぶらかして、偽物の婚約者になるなんて最低な野郎だ!」
私は、慌てて止めるが気にせずに怒鳴る亜蘭だった。
きちんと説明しても弟は、最初に無理やり
婚約者のふりをさせたことに対して激怒していた。
亜蘭は、昔から私に懐いていたから
それが私に対して馬鹿にしていると思ったらしい……。
「はぁっ?たぶらかして?俺は、いつも真剣だ。
お前の姉に対してたぶらかしたつもりはないぞ」
「だったら最初から婚約者として申し込めよ!
それでも俺は、反対だ。お姉様の結婚は……」
ちょっと涙目になりながら言う亜蘭。
私達の結婚に反対なので、困ってしまう。
普段は、優しくて落ち着いているのに……。
亜蘭は、19歳の大学1年生で4つ離れている。
小さい頃から私と比べて茶道などの才能を開花させて
家元として期待もされていた。
それに落ち着いているし、真面目な性格だし
表情を表に出して怒らない子なのだが
何故か私のことになるとやたらにムキになる。
「随分とシスコンだな……そいつ」
「はぁっ?誰がシスコンだ!!」
「ちょっと2人共……喧嘩しないで。
華……蓮様もすみません……」
私は、2人を止めようと必死になる。
仲良くやってほしいのに会った早々険悪ムードだ。
オロオロしていると祖母が私達に気づいてこちらに来た。