和菓子が繋ぐラグジュアリー。

「伊吹……どうして!?」

 えっ?何で……伊吹がここに?
確か最近までイベントや個展のために海外に居たはず。
 それに何故結婚を止めるの?
両親も予期せぬ登場人物に驚いていた。

「まぁ、伊吹君。どうしたの?急に……」

「蘭叔母様、稔叔父様。その結婚は、認めてはなりません!」

 母が驚いて言うと伊吹は、キッパリと否定してきた。
えっ?ちょっと……何で反対なの!?
この状況に私は、唖然としていると華京院様の表情が変わった。
明らかに不機嫌になっていた。

「誰だ……コイツ?何処かで見たことはあるが……」

「あ、あの……イトコの伊吹です。
華道・朝比奈流の次期跡継ぎでもありますが……」

「あ、思い出した。雑誌やテレビで見たことがあるな。
花恋のイトコだったのか……!?」

 伊吹の正体を知り驚くが納得していた。
そう……伊吹は、業界でも有名人だ。
 華道としての腕も一流で日本だけではなく
海外からのイベントや出演の依頼もたくさん来ている。
 それに24歳の若さでコンテストを総なめする天性の才能とルックスで人気が高い。

 胸元まである髪を1つに結び顔立ちも華京院様に
負けず劣らずイケメンだった。
 綺麗な切れ長の目にスッと鼻筋が高く白い肌。
年配から若い女性までファンも幅広い。

 私達は、イトコ同士だったため小さい頃から
よく一緒に遊んだし、学校も学年は違うが同じだった。
学校でも彼の人気は、絶大でファンクラブもあったぐらいだ。

「お前の家庭事情は、凄過ぎるが……それよりも
何故俺達の結婚を反対するんだ?」

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