和菓子が繋ぐラグジュアリー。

「あ、前日は、失礼致しました。
ちゃんと謝りに行けなくて……申し訳ありませんでした」

中途半端のまま華京院様に連れ去られてしまった。
 ちゃんと謝りに行きたかったが、バタバタして
それどころではなかった。

「あぁいーて、いーて。蓮があんなに必死になるなんて
いいものを見せてもらったし。
それよりも結婚おめでとう。正式に決まったんだろ?」

「あ、はい。そうなんですが……」

「何?何か問題あんの?」

これは、話していいのかしら?
 話そうか戸惑っていると女将さんは、クスクスと笑いながら
「教えてあげましょうか?」と言い全て話してしまった。

お、女将さん……!?
私は、大慌てするが女将さんは、逆に楽しんでいるようだった。

「うわぁ~マジかよ!?そんなすげぇー奴とイトコなのも凄いが。
勝負ねぇ~蓮も無謀だな」

「そうなんです……だから不安で」

考えだけでも不安で落ち込んでしまう。
 女将さんは、大丈夫だと言うけど大丈夫じゃない気がする。
 それこそ伊吹が本気を出したら注目されるのは、
目に見えて分かっているし。

すると大将は、黙って聞いたままマグロを握り
私達に出してくれた。そしてため息を吐く。

「やよい……お前。千草と手を組んでまた仕掛けただろ?」

えっ……はい?

< 67 / 82 >

この作品をシェア

pagetop