和菓子が繋ぐラグジュアリー。
「よし決めた。花恋……お前今日から俺の婚約者になれ」
えっ……えぇっ!?
「ちょっ……ちょっと待って下さい。
私がですか?いくらなんでも無理があるのでは。
それにお互いに初対面ですし……お付き合いだって」
「アホか。ふりだ……ふり。
母が結婚しろとうるさいから。落ち着くまで
婚約者のふりをしろと言っているんだ!」
あ、ふりですが……なんだ。いやいや。
それでも無理があるのでは!?さっきの見ましたよね?
会長夫人は、私のこと気に入らないようでしたし
凄く睨んでいましたけど
もし何か遭ったらどうする気ですか!?
お店に何かしてきたら私のせいになる。
色々悪いことを考えると不安しか残らなかった。
しかし華京院様は、考えを変えない様子だった。
「母は、しつこいからな。その間に
どうにかするつもりだ。しばらくでいい。
お前が俺の婚約者として接しろ。これは命令だ!」
命令って……そんな!?
逆らったらどうなるのか分からないほど
華京院財閥の影響力は大きいが……それって有りなの?
婚約者……か。
オロオロしながらもチラッと社長を見る。
スラッとした長身でスタイルもいい。
綺麗な黒髪でスッと鼻筋が高く整った顔立ちだ。
芸能人みたいなイケメンだった。
ふりだとしても……こんな人の婚約者に抜擢されるのは、
ありがたいことなのかもしれない。だが、しかし
問題は自分自身だった。
そのイケメンに張り合うぐらいの自信が私にはない。
「あの……でしたら他の方の方が……」
「分かったのなら返事をしろ!」
「は、はい」