和菓子が繋ぐラグジュアリー。

 あの名誉院長先生が祖母に……!?
これもまた意外過ぎる組み合わせに驚いてしまった。
 一度ちゃんと聞きたいものだ。
女将さんと祖母のラブロマンスを……。

「で、どうなんだ?蓮の戦略とか聞いてんの?」

「えっ?戦略……?」

 急に話を変える司さんに一瞬意味が分からなかった。
だが、すぐに華京院様と伊吹のことだと理解する。
 戦略……あるのだろうか?
私は、何も知らせられてないので困ってしまう。

「何も知らされてないのか?」

「はい。すみません……」

もし戦略があったとしても私は、何も知らない。
 だから不安なの……。
すると女将さんは、フフッと笑う。

「イベント勝負は、誰も一対一だとは言ってないじゃない」

えっ……?
私と司君は、驚いて女将さんを見る。

「伊吹君は、才能ある華道家で手に職があるわ。
 ならこちらには、ハンデぐらいあってもいいでしょう?
皆で協力をして蓮を助けてサポートすれば、
何かいい突破口になるんじゃないかしら?」

皆で協力して……!?
 た、確かにプロとして活躍している伊吹に挑むなら
ハンデぐらいあってもいいと思う。
 伊吹には、卑怯だとか言われそうだし
申し訳ないと思うけど……自分の意思は変わらない。

何より華京院様の役に立ちたい。

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