和菓子が繋ぐラグジュアリー。

「私、華京院様のサポートします!
役に立つか分からないけど……負けてほしくないので」

 私は、思いきって女将さんにそう告げる。
司さん達は、驚いていたが
女将さんは、ニコリと微笑んでくれた。

「それは、いい心がけね。頑張って」

「はい。頑張ります!」

 初めてだった。自分からこんなに
積極的に手を挙げてやろうとしたのは……。
だから頑張りたい……華京院様のためにも。

しかし後で女将さんに教えてもらったが
華京院様は、和菓子作りの経験があるらしい。
 それに対して驚いたが、話を聞いて納得する。

子供の頃は、女将さんの和菓子屋を継ぎたいと言っていたらしい。
 でも華京院家の後継者だったからもう反対され
断念させられたらしい。
でも今も好きで、時間のある時に手伝いに来てくれるらしい。
 知らなかったわ。意外な過去に驚いたが
何処か自分に似ている部分もあり
やはり私の結婚相手は、華京院様しかいないと思った。

 しばらくして食べ終わると
帰りは、女将さんが車で送ってくれると言ってくれた。
 すると女将さんは、車の鍵をお店に忘れたから
取りに戻りたいと言ってきた。

 私もついて行くとお店に明かりがついていた。
誰が居るのかしら?
 私と女将さんは、お店の中に入り厨房を覗くと
華京院様が和菓子作りに奮闘していた。

「か、華京院様!?」

 私は、驚いて華京院様の名を呼んでしまった。
すると華京院様は、驚いて振り返った。

「な、何で花恋がここに!?もう帰ったんじゃあ?
あ、お祖母様まで……」

< 71 / 82 >

この作品をシェア

pagetop