和菓子が繋ぐラグジュアリー。
華京院様は、背が高くスタイルがいいから
余計に並ぶと心臓がドキドキする。
すると向こうの方からも騒ぎが……。
もしかして伊吹がきたのかしら?
そう思い振り返ると……えっ?恵斗さん!?
恵斗さんが着物を着てこちらに来た。
グレーの着物を着ているが、こちらも外国人モデルかと
思うほどカッコよく着こなしていた。妖艶な美しさだ。
あ、謝らないと……。
司さんにも謝ったが恵斗さんは、
せっかく誘われて行ったのに台無しにしてしまった。
華京院様は、自分から言っておくからいいと言われたけど……。
「あ、あの……あの時は、失礼しました」
恵斗さんのところに行くと勢いよく頭を下げた。
恥ずかしいけど……こんな時しか謝れないし
すると恵斗さんは、クスクスと笑っていた。
「謝らなくてもいいですよ。僕は、気にしてませんから
それに今日は、蓮に頼まれて手伝いに来たんです」
「えっ……手伝い?」
私は、恵斗さんの言葉に驚いて頭を上げた。
どういうことかしら?
すると蓮が私達のところに来た。
「今回の事で彼に頼まれたんです。
力を貸してほしいと……あんな必死に頭を下げる
蓮を初めて見ましたよ」
華京院様が……恵斗さんに?
驚いて華京院様を見ると恥ずかしいのか
頬をほんのり赤く染めていた。
「余計なことを言うなよ……恵斗。
今回は、絶対に勝たないといけないからな。
使える奴に声をかけただけだ!」
そう言う華京院様だが、この人の性格から
本当に頭を下げて頼んでくれたのだろう。
不器用だけど優しい人だから……。