和菓子が繋ぐラグジュアリー。

「あなたが、この子を大切に想ってくれるのは、とても嬉しいわ。
 だけど、この子の幸せを願うなら今回の件は、
前向きに考えてくれないかしら?」

 祖母は、伊吹に願い入れてくれた。
お祖母様……。
 すると伊吹は、ギュッと拳を握り締めていた。
そして華京院様を思いっきり睨み付ける。

「確かに。千草お祖母様の言う通りだ。
 俺は、花恋の幸せを願っていた。それが自分だと想っていたが……。
 華京院。今回の勝負は、認めよう。しかし
もし花恋を泣かすようなことがあってみろ?
 その時は、改めて勝負を申し込み花恋を絶対に取り返してもらうからな!?」

 伊吹は、勝負を認めながらも宣誓布告した。
ある意味、伊吹らしい認め方だった。
 華京院様は、その言葉を聞いてニヤリと笑った。

「あぁ……だが花恋を泣かす気もお前に渡す気もない」

「……どうだかな?」

 華京院様の意見に真っ向から反対する伊吹。
しかし前みたいに険悪なムードではない。
 あくまでもライバルとして宣言に見えた。
その証拠にお互いに笑っていた。

つまり……伊吹からも正式に結婚を認めてもらったことになる。

 私は、嬉しくなり華京院様を見た。
すると華京院様は、ニコッと微笑んでくれた。
そうしたら女将さんや周りのお客さんが拍手をしてくれた。

 すると司さんは「やったなぁ~蓮!」と言いながら
華京院様に抱きついていた。
 恵斗さんは、クスクスと笑いながら拍手をしてくれた。
良かった……本当に。

私達は、多くの人に祝福されるのだった……。

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