医師の妻としての覚悟 ~寂しさと過ちを乗り越えて…

「俺達が バタバタしても 変わらないって。まだ 早いだろう。もう少し 寝ようよ。」


昨夜 何度も 私を抱いた圭介は

眠気のせいで 不安を実感できないのか。


私の肩を抱いて ベッドに戻ると

圭介は すぐに 寝息を立て始めた。



確かに 私達には どうしようもないけど。


私は いいけど…圭介は 大丈夫なのかな?


京一は まだ 帰らないから。

もし今日 飛行機が 飛ばなくても

私は なんとかなる。


圭介は この旅行を 何て言ってきたのか。

奥さんに…


今日 帰れなくて トラブルになったら。

私も 巻き込まれてしまう?


圭介のことを 心配しているようで

私は 自分のことが 心配だった。



私は 圭介に 抱かれる時に

最悪の事態も 覚悟した。


圭介のことを 愛していた訳じゃ ないけど。


いつか 京一に 見つかって 

京一を 失うことに なるかもしれない。


私が 愛しているのは 京一だけど。

それでも 私は 圭介に 抱かれた。


全てを 失っても 自業自得。


あの時は そこまで覚悟しても

私は 圭介に抱かれることが 必要だった。


京一を 裏切ることで 

私は バランスを 保っていたから。


でも もし本当に 京一を失ってしまったら…


今更 私は 怖くなる。


私は 京一を 愛している。

京一だけが 大切だって 

本当は 気付いていたから。




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