医師の妻としての覚悟 ~寂しさと過ちを乗り越えて…
京一が 出かけた後の部屋は
急に 色彩を失い 寂しさが際立つ。
少し丁寧に 片付けておかないと。
明日から 3日間 留守にするから…
私は クルリと 部屋を見回してた後で
クローゼットから ボストンバッグを 取り出す。
京一が 側にいる時は 思い出すことがない
圭介の顔が 私の心に 浮かんでくる。
「旅行に 行きたいな。涼子と2人で。」
「いいわよ?圭介が 大丈夫なら。」
「本当か?俺は どうにでもなるよ。撮影とか。」
「9月に 主人が学会で 海外に行くから。その時なら 私も 大丈夫よ。」
「じゃ その時に 行こう。どこに行く?俺達も 海外に行っちゃう?」
「空港で バッタリ会ったら イヤだわ。」
「ハハッ。でも せっかくだから 2泊くらいは しようよ。」
ベッドの中で 裸で抱き合いながら
話したことだから。
まさか 圭介が本気だなんて
私は 思っていなかった。