医師の妻としての覚悟 ~寂しさと過ちを乗り越えて…

翌日私は 仕事に行く母と 一緒に 家を出た。


「もう少し ゆっくりしていけば いいのに。」

「明日 仕事なのよ。」

「美波ちゃん 会いたがっていたのよ。」

「また来るわ。そのうち…」


駅まで 送ってもらう 車の中。


本当は もう少し 母と話したかったけど。

実家に 長く居ると 心が弱くなるから。


「そうね。今度は 京一さんも 連れてきて。」

「嫌よ。京一さんと 出かけられるなら もっと良い所に 行くわ。」

「それもそうね。寂しくなったら またおいで。」

「うん。ありがとう。」


私は 泣きそうになって 外を見た。


「京一さんに よろしくね。」

「昨夜 ラインで 京一さんも よろしくって 言っていたわ。」

「そう。京一さん 忙しいのに 優しいじゃない。」

「まあね。愛されてますからね。」

「フフッ。涼子も 京一さんのこと 大事にしなさいね。」

「わかっているわ。」


わかっている…

寂しかっただけ。


でも もう大丈夫。


ようやく 私は 決心できた。


圭介とのことは 生涯 隠し通す。

これからは もっと真剣に

京一と 向き合うって…






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