医師の妻としての覚悟 ~寂しさと過ちを乗り越えて…
私が圭介と 再会したのは 半年前。
圭介のことは 時々 噂で聞いていたけど。
私にとっては どうでもいいことだった。
圭介が 結婚したことも
子供が 産まれたということも。
モデル仲間が 話していたけれど。
私は 気持ちが揺れることさえ なかった。
圭介に撮影される 機会もなかったし。
離れてしまえば 思い出すことさえ ない関係。
圭介にとっても 私は その程度の存在。
綺麗な人に囲まれて 生活している 圭介にとって
私は 追い駆ける価値も ならなかったはずだから。
京一と 一緒に暮らし始めた頃から
私の 仕事の質は 少しずつ 上がって…
大学生の頃のように 雑誌の仕事も増えた。
半年前 数年振りに 圭介に 撮影された私。
「涼子。驚いたよ。すごく綺麗になったね。」
「そうかしら?もう いい年よ?」
「いや。表情が違うよ。昔より ずっといい。」
圭介は 歯の浮くような言葉で 私を誘う。
圭介の言葉に 愛情なんて ないのに。
圭介の誘いを 私は断らなかった。
生産性のない 下心だらけの 誘いなのに。
私は それでもいいと思って
圭介に 抱かれた。
半年前…
それから 月に1、2度づつ
私達は 会っている。