ハルカカナタ
「私だって好きで聞いてるんじゃないわよ、好きな人が他の女としてる事なんて知らなくていい事の筆頭でしょ」
「お前ねリアクションに困る言い方するなよ」
バツが悪い事極まりない。そんな僕の事はお構いなしに綾は再び同じ質問をしてくる。
「それで、セックスしたの?」
「出来るわけないだろ・・」
「そう、じゃあ最近ハルカに変わった所はない?」
「変わった所?」
「ええ、例えば体調が悪そうな時があるとか、太ったとか」
おかしな事と言えば突然実家に帰省した事ぐらいしか思い当たらないが、どうも綾の聞きたい事とはニュアンスが違う気がする。
「いや、特に無いと思うけど」
「じゃあまだね・・」
綾がボソッと漏らした言葉は僕には聞き取れなかった。
「多分カナタは知っておいた方がいいと思うから、聞いた上で貴方がどう判断するかは任せるけれど、ハルカの友人として出来ればあの子の望みを聞いてあげて欲しい」
「何の話しだ?」
「あの子、多分だけどピルを持ってると思う」
「ピル?ピルってあの避妊薬の?」
「そうよ、少し前に何処で買えるか聞かれたのよ。勿論私も病院ぐらいしか知らないからそう答えたのだけれど、気になって調べたら今は通販とかでも買えるらしくて」
「通販って、あれって医薬品じゃないのか?」
「細かい事は私もわからないけど、通販で買えるやつは多分違うと思う。だから、通販で手に入るピルは偽物の可能性もあるみたい」
「偽物って事は・・」
「避妊効果は無いって事ね」
「僕にはそんな事何も・・」
「そんなの言えないでしょ、本来貴方達は結ばれてはいけない2人なのだから。日本ではそこまで厳しくは無いけれど、外国だと近親での性行為は厳罰が法で定められている所も珍しく無いのよ」
「・・・」
「とにかく、判断は貴方に任せるけれど、もしするのならちゃんと話し合った上で決めなさい。子供が出来れば貴方達が引き裂かれのは当然、近親間で子供が出来た時の対処がはっきりはわからないけれど、仮に産めたとしても深い業を背負わせてしまうのだから」
「わかってる・・」
「ならいいわ、じゃあ私はもう行くわね」
「ああ、ありがとな綾」
「・・とんだ道化役ね」
それ以上何も言わず、綾は僕に背を向けて公園から出て行った。
何時迄も帰らない訳にもいかず、僕はコンビニに寄り適当に飲み物とお菓子を買って帰った。
「ただいま」
「あ!おかえりカナタ!」
ハルカは仔犬の様に駆け寄って来てそのままの勢いで僕に抱きついて来る。半乾きの髪からはシャンプーの甘い香りがした。
笑顔で僕を見上げるハルカを見ていると愛しさが込み上げて溢れてくる。
「ハルカ、ちょっと話したい事がある」
自分の中で答えが出たわけではない。
だからこそハルカとちゃんと話したい。
「お前ねリアクションに困る言い方するなよ」
バツが悪い事極まりない。そんな僕の事はお構いなしに綾は再び同じ質問をしてくる。
「それで、セックスしたの?」
「出来るわけないだろ・・」
「そう、じゃあ最近ハルカに変わった所はない?」
「変わった所?」
「ええ、例えば体調が悪そうな時があるとか、太ったとか」
おかしな事と言えば突然実家に帰省した事ぐらいしか思い当たらないが、どうも綾の聞きたい事とはニュアンスが違う気がする。
「いや、特に無いと思うけど」
「じゃあまだね・・」
綾がボソッと漏らした言葉は僕には聞き取れなかった。
「多分カナタは知っておいた方がいいと思うから、聞いた上で貴方がどう判断するかは任せるけれど、ハルカの友人として出来ればあの子の望みを聞いてあげて欲しい」
「何の話しだ?」
「あの子、多分だけどピルを持ってると思う」
「ピル?ピルってあの避妊薬の?」
「そうよ、少し前に何処で買えるか聞かれたのよ。勿論私も病院ぐらいしか知らないからそう答えたのだけれど、気になって調べたら今は通販とかでも買えるらしくて」
「通販って、あれって医薬品じゃないのか?」
「細かい事は私もわからないけど、通販で買えるやつは多分違うと思う。だから、通販で手に入るピルは偽物の可能性もあるみたい」
「偽物って事は・・」
「避妊効果は無いって事ね」
「僕にはそんな事何も・・」
「そんなの言えないでしょ、本来貴方達は結ばれてはいけない2人なのだから。日本ではそこまで厳しくは無いけれど、外国だと近親での性行為は厳罰が法で定められている所も珍しく無いのよ」
「・・・」
「とにかく、判断は貴方に任せるけれど、もしするのならちゃんと話し合った上で決めなさい。子供が出来れば貴方達が引き裂かれのは当然、近親間で子供が出来た時の対処がはっきりはわからないけれど、仮に産めたとしても深い業を背負わせてしまうのだから」
「わかってる・・」
「ならいいわ、じゃあ私はもう行くわね」
「ああ、ありがとな綾」
「・・とんだ道化役ね」
それ以上何も言わず、綾は僕に背を向けて公園から出て行った。
何時迄も帰らない訳にもいかず、僕はコンビニに寄り適当に飲み物とお菓子を買って帰った。
「ただいま」
「あ!おかえりカナタ!」
ハルカは仔犬の様に駆け寄って来てそのままの勢いで僕に抱きついて来る。半乾きの髪からはシャンプーの甘い香りがした。
笑顔で僕を見上げるハルカを見ていると愛しさが込み上げて溢れてくる。
「ハルカ、ちょっと話したい事がある」
自分の中で答えが出たわけではない。
だからこそハルカとちゃんと話したい。