桜井くんはヤメテくれない
急に顔近づけてくるなんてダメだよ!



私の返事に満足したのか離れていく美しいお顔。


そして早く言え、とでも言わんばかりの笑顔で私の言葉を待つ。


…はぁ、



「さ、桜井くんが可愛いとかゆうから…でしょ。」



あぁ、もう何これ、恥ずかしすぎて今すぐ消えたい。



「ふっ、いい子いい子。ほんと、春野は見てて飽きないよ」


ポンポンと撫でてくる手つきは勘違いしそうなくらいに優しくて、

それだけで私の心臓はバクンと騒ぎ出す。



…もう、なにそれ
私のことからかって楽しんでるだけな癖に。



完全に桜井くんに流されていたその時、


「皐月っ!きょう私の家来ない…?」



凄く胸が大きい女の子が桜井くんの腕にぎゅっと抱きついた。



…また女の子だ。


誘いに来たのかな、それなら
桜井くんの返事なんて分かりきってる。





「ん、別にいいけど」


「やったぁ!皐月だいすき〜」




OKするに決まってるんだもん。
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