政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
目の前の大きな窓はカーテンが開けられ、庭の様子が見えた。ライトアップされたプールは青く光り、その向こうにはガーデンライトがセンス良く庭を彩っている。
「お姉さんと連絡はついた?」
「えっ、あ、はい……」
前触れもなく核心部分に触れられて動揺する。とはいえ、理仁との会話はそれ以外にないとも言えるから仕方がない。
緊張を強いられ、鼓動がどんどん速まっていく。
「それで、いつ頃戻るって?」
「も、もう間もなくと……」
理仁はワイングラスを揺らしながら優雅に足を組み替えた。余裕たっぷりの仕草は、余計に菜摘を焦らせる。
「俺が待ってると伝えてくれた?」
首を傾げて菜摘の顔を覗き込む。なぜか妙にセクシーな視線にどぎまぎして、目をぎこちなく逸らした。怪しさ満点だ。
「はい、もちろんです」