政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
甘く暴かれた正体
翌朝、目覚めた菜摘は自分の置かれた状況に頭が混乱した。
「えっ、なんで裸? え? どういうこと? ……っつ」
頭にかすかな痛みが走り、咄嗟にこめかみを押さえる。
そこでようやく昨夜の記憶が少しずつ蘇ってきた。理仁とワインを飲み、その後シャワーを浴びて……。
「やだ、どうやってここにきたの?」
飛び起きると同時に布団がはらりと落ち、一糸まとわぬ体が朝の光を浴びる。
(――まさか)
ひとつの可能性が頭を過り、心臓がぎくりと音を立てた。
「日高さんが運んだの?」
ぽつりと呟いた言葉が耳から脳に舞い戻る。
(それじゃ裸を見られちゃった!?)
そんな焦りの次に、最も重要な事項を思い出した。