政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
農園は和夫と菜摘のふたりで運営してきた。いくら借金問題が片づいても、和夫は体を壊したし、これからはあまり無理はできないだろう。
たとえばもっと先の話、和夫がいなくなった後を考えると、菜摘ひとりでどうにかなるのかという不安がある。
「俺が後を継げばいいのかもしれないけど……」
「大地には大地の人生があるでしょ? そこは切り離して考えないと」
ほかにやりたいことがあるのに我慢してイチゴ農園を継いでも、うまくいきっこない。
新たな問題に直面した菜摘は、その答えをすぐには見つけられなかった。