政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
「……なつ、み……」
キスの合間に吐息交じりに名前を呼ばれ、心が大きく動いた。
もう言ってしまおう。大きく膨らんだ想いをきちんと伝えよう。
理仁の胸を軽く押し、キスを解く。
「日高さん……」
緊張のせいで声がかすれた。
なに?と理仁が首を傾ける。
「……好きです」
瞬間、理仁はふっと笑みをこぼした。思わずキュンとするような、はにかんだ笑顔だった。
「知ってたけど、やっぱり言われるとうれしいな」
「……気づいてたんですか」
「菜摘の態度も言葉も、この目も」
そう言って頬を意味ありげに撫でる。
「全身で俺を好きって言ってた」