政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

悪い方向に考えてピンと張りつめた気持ちがほぐれ、体から力が抜けていく。


「今朝、電話でも話したけど、ハウスの方は心配いらないよ。日高さんたちに手伝ってもらって片づけはほぼできたから」


理仁と目を合わせながら答える。
この後、もう一度ビニールを張りなおさなくてはならないけれど。


『そうだな。日高さんには本当に感謝してもしきれないよ。よろしく伝えてくれると助かる』
「うん、わかった」


その後、とりとめのない話をして電話を切り、理仁にも内容を伝えた。


「容態が変わったわけじゃなくてよかった」
「ほんとに」


ふたり揃って安堵のため息をつく。
でも落ち着いて考えてみれば、容態が悪くなったときに連絡してくるのは本人ではなく病院だろう。早とちりもいいところだ。
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