政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
数分後、運ばれてきたのは華やかなケーキセット。ピンクが鮮やかなフランボワーズのケーキと、チョコと塩キャラメルのタルトは菜摘に。郁子にはアーモンドプラリネとラムレーズンのムースケーキだ。色鮮やかで見ているだけで元気になれる。
「おいしそう」
この前理仁に連れられてやって来たときは新作のモンブランをひと口食べただけだったから、じつは物足りなさを感じていたためウキウキだ。
「早速食べよう」
郁子と揃ってフォークを持ち、まずはピンクのケーキをひと口頬張る。フランボワーズのバタークリームとアーモンド生地が層になっていて、食感がとても軽やか。もちろんおいしい。
「さすがミレーヌだね。味にぬかりがないなー」
郁子も満足げ。早速手帳になにかを書き留めるあたりが、出版社勤めの郁子っぽい。
「あれからスイーツ王子とはどうなったの?」