政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
「や、えっと……そうですね」
本当にどうかしている。
「それで、菜摘はなんでこっちにいるの?」
やはり理仁は今夜から一緒の寝室のつもりだったようだ。わかってはいたものの改めてそうだと知り、視線が定まらない。
「おいで、菜摘。行こう」
手を取られて部屋を出る。行き先は言わずと知れた、夫婦の寝室だ。
全体の明かりは落とされ、ベッドサイドのスタンドライトがやわらかなオレンジ色の光を放っていた。
これからすることを否が応でも想像してしまう。
大きなベッドに理仁と並んで座った。
「菜摘」
名前を呼ばれただけで心拍のリズムが乱れるからたまらない。