政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
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実家を後にし、ふたりは自宅に真っすぐ帰ってきた。
菜摘たちが入籍して以降、美代子が通ってくるのは週に二度。新婚の邪魔はできないからというが、広い家のため菜摘たちだけでは掃除が行き届かず、彼女の存在はとても大きい。
一ヶ月後には挙式も控え、その準備でも忙しい。
「理仁さん、それは?」
車から降りた理仁は大きな箱を抱えていた。
「これは俺たちの式で振る舞われるウエディングケーキの見本」
「え! ケーキ!?」
その言葉に心が躍る。つい先ほど実家でモンブランを食べてきたばかりなのに、さらに食べたくなるのだから罪な食べ物だ。
「開けてもいい?」
「もちろん」
理仁のオッケーをもらい、ワクワクしながら開ける。すると中にはミニチュアのウエディングケーキが三種類並んでいた。