政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

「私、これでもかなりわがままなんです」


きっと、なんでも言うことを聞くおとなしい女だと思っているだろうから。
顎をぐっと引き、イチゴの説明をするかのように大真面目な顔をする。


「どんなところが?」


目論見通りに理仁が乗ってきた。


「豪邸に住むのが夢なので、それを叶えてくださる方がいいんです」
「例えば?」
「広々としたエントランスは壁一面の大きな窓から自然光が降り注いで、正面には螺旋階段が絶対ほしいです。リビングからはパノラマで広い庭が見えて、オーダーメイドのワインセラーなんかがあって、そこには年代物のコレクションをずらっと並べて」


理仁は「へえ」と興味津々にうなずいているが、心の中できっと冷笑しているだろう。


「それから、優雅にティータイムを過ごすにはルーフバルコニーもほしいです。大画面のシアタールームでのんびり映画を観て、キッチンは使い勝手のいいアイランドタイプがいいな。寝室は……」
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