私は、この人の妻?
4話

···あれから


あれから·····

佳寿ちゃんから連絡が有る度に
佳寿ちゃんのお家にお邪魔させて
もらっている。

おばあ様にも両親にも
きちんと報告をしている。

佳寿ちゃんは、
私の仕事のシフトを
知らせてと言ってくれて
早番の日やお休みの日に
ぬいぐるみの作り方を
教えてくれていた。

丁寧に教えてもらい、めきめきと
腕をあげている中·····

佳寿ちゃんの咳が気になっていた
よく咳をして
咳き込むこともあって
背中をさすることもある。

おばあ様に話をすると
佳寿ちゃんに連絡してくれた。

病院には、行っているらしいが····

海斗さんは、知っているのだろうか

海斗さんとは、
あの日から会っていない
週に三回は佳寿ちゃんの家に
行っているが見かけたことがないから。

そんな中
ぬいぐるみも一人でデザインして
縫製もできるようになってきて
佳寿ちゃんから
「穂乃華ちゃんは、素質があったのね。
もう、教えることないわ。」
と、言ってもらえたが
「まだまだです。
佳寿ちゃんに色んな事
教えて欲しいし
佳寿ちゃんのお家大好きだから
押し掛けちゃいますよ。」
と、言うと
「あらっ、嬉しい。
   いつでもきてね。」
と、話しながら
私がお茶いれにキッチンへと行くと

« バタッ »と、音がして
慌てて戻ると
佳寿ちゃんが倒れていて
慌てながら救急車を呼んだ。

すぐにおばあ様にも連絡して
佳寿ちゃんの掛かり付けの病院を
教えてもらい、そちらに搬入して
もらった。

病院に着き、処置室に運ばれた時に
おばあ様がやってきた。

おばあ様は、青い顔をして
心配していたが
看護師さんに孫がいるから連絡して
欲しいとお願いしていた。

一時間ほどして海斗さんが
病院に現れると
おばあ様は、いきなり
海斗さんを叩いた
「いたっ、なんなんですか!」
海斗さんは、頬に手をあて
おばあ様に向かって文句を言う。

私もわっと思っていたが
おばあ様は、目を吊り上げ
海斗さんをにらみつけて
「なんなんですかじゃないんだよ。
あんた、誰に育ててもらったんだい
年寄りを一人家に放置して
心配にもならないのかい
佳寿に育てられたわりには
薄情な子だね。
まったく。
そんなに付き合ってる奴が大事なら
なぜ、佳寿に合わせて
安心させてやらないんだ。」
と、言う

海斗さんは、苦渋の顔をしていた。

そこに、お医者様が来て
佳寿ちゃんの状態について
説明があると言った。

海斗さんは、直ぐに立ち上がったが
先生から
「落合 佐代さんに
説明をするように言われています。」
と、言われて

海斗さんは、びっくりして
「私は肉親です。
  佐山 佳寿の孫です。」
と、言ったが
「申し訳ありません。
佐山 佳寿さんからの申し出ですので。」
と、言うと
おばあ様と先生は、別室に入って行った。

その間に佳寿ちゃんは、
病室に運ばれた。

病室は、一人部屋で
ナースステーションの前だった。

海斗さんと私は
佳寿ちゃんと一緒に病室に向かった。
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