私は、この人の妻?

「すみません。おばあ様に付いて頂いて。」
「いいんだよ。男のあんたじゃ
厳しいだろ。」
「はい。本当に助かります。
ですが···あの、おばあ様の状態を
教えて頂けないでしょうか?」
と、やっと、口にだす······
「そうだね。
あんたは、知らないと行けないと
私も思う。
だが、私は、佳寿の気持ちもわかるんだ。
あんたに心配かけたり
自分の為にあんたが仕事に支障を
きたしたりすることには
堪えられないはずだから
その辺りはわかってるね。」
と、言われて俺は頷いた。

「そうかい。それならいい。

佳寿はね····佳寿は、肺癌だ。

この間の健康診断で見つかって
ステージ4だ。もう·····何年もないだろう
だから、あんたに見合いをさせたんだ。
自分がいなくなっても
あんたが一人にならないようにと。」
と、言われて

癌? おばあ···様···が?

ステージ···4? どう··して···?

「大丈夫かい?」
と、落合さんに言われて
「あっ·····はい···はい····はい。」
と、やっと答えると
「あんた、恋人がいるなら
佳寿を安心させてやりな。」
と、言われて
「私には、結婚するような
相手は、いません。」
と、自分で言った。

そう言っている自分に
一番驚いていた。

「そうかい。
穂乃華の見る目も落ちたかな?
だが、見合いをする気は
なかったんだろう?」
「はい。まだ急がなくても···と
思って、お孫さんにも
失礼な態度で申し訳ありませんでした。
今度も、おばあ様を救ってもらいまして」
「それは、穂乃華に会った時に
本人に言ってくれたらよい。
この間も言ったが
穂乃華は、佳寿の家も
佳寿の人柄と佳寿が作り出すものが
好きなんじゃ。だから佳寿の家に
足繁く通うんだ。
今後も、佳寿が来るなと言うまでは
行くだろう。
さぁ、病室へ戻ろう。
今日からは、付かなくて大丈夫みたいだから
私は、顔を出して帰るよ。」
と、笑いながら言われた。
「はい。」
と、返事をして一緒に病室に行くと
おばあ様は、目を覚ましていて
「あら、海斗。」
と、言う
「トイレに行ったら、一緒になった。」
と、落合さんが言うと
「そうなのかい?海斗仕事は?」
と、俺の事を心配するおばあ様に
「大丈夫ですか?」
と、訊ねると
「ああ、もう落ち着いた。
だが、先生から退院の許可がでない。」
と、言うから
「今まで、頑張り過ぎているのですから
少しゆっくりして下さい。」
と、言うと
少しびっくりしながら
「そうだね。そうするかね。」
と、言ってくれた。

落合さんが帰ると言うので
見送りをしてくると
おばあ様に言うと
一緒に帰るよに言われたので
落合さんに送りますと言った。

「私は、心配もさせて貰えないの
でしょうか?病名も隠されて·····」
と、言う俺に
「旦那とかと違って
子供や孫には、弱く情けない所を
見せたくないんだよ。

あんたの事を心から大切に大事に
思っているよ。佳寿は。
そうじゃないと
私の孫を、あんたにとはならない。

私の孫なら、私もあんたの
側にいれるし
私の息子夫婦もいるから
あんたがさみしい思いをすることはない
それだけ、あんたが可愛いんだよ。」
と、言われて
「正直、いつまでも元気で
いてくれると思っていました。
まさか、病気になるなんて
思ってもいなくて······」
と、涙を流す俺に
「後は、あんた次第だよ。
だが、あんまり思いつめないように。
あんたに何かあったら
佳寿は、正気ではいられない。
今日は、ありがとう。」
と、言って落合さんは家の前で降りた。
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