私は、この人の妻?
···海斗 side
おばあ様が亡くなり
俺は、何も考えられなかった。
通夜も葬儀も
落合のおばあ様と穂乃華が
色々とやってくれていた。
お義父さん、お義母さんは
裏方の仕事をやってくれていた。
俺は、何も出来ず
何も考えられず
一人ぼっちになった感覚だった。
食欲は全くなく眠れなかった。
みんなが、何か言っている声が
遠くに聞こえる
すると、俺の袖を引いた人がいた
その人に連れられて
ここは、空き部屋か·····
と、思っていると
「大丈夫か」
と、言われた声があまりにも優しくて
俺は声を上げて泣いた。
そんな俺を抱き締めてくれた
温もりに俺も抱き返す。
懐かしい·····陸人····だ······
愛してる·····と言ってくれた陸人
その時、陸人におばあ様の納骨まで
がんばるように言われた。
俺は····何か忘れてるような······
納骨が終わると
俺は陸人に連れて帰られた。
陸人に風呂に入れられて
強めのウィスキーを口移しで
飲まされて眠らされた。
陸人は、こんな風になっている
海斗を放置して、
いなかった女が許せなかった。
二人の会話を穂乃華が
聞いていたとも知らずに。
陸人は、翌日会社を休み
海斗に寄り添った。
目を覚ますと
食べれそうな物を作り
食べさせて眠らせた。
海斗が寂しがらないように
抱き締めて一緒に寝た。
二、三日経つと
海斗は、食事も取れるようになり
陸人は、喜んだ。
前のように戻れると·····
だが·····
一緒に風呂に入っても
一緒にベッドに入っても
海斗自身は、反応する事はなかった。
ショックからきているのだろうと
陸人は、そう思っていた。