水の楓
第1章【僕と楓の出会い】

君は幽霊?


“非日常”って直ぐに始まってしまうものなんだね。

これは僕の非日常が始まって、終わるまでの1年間のお話。
























明くる日、なんとなく、図書館の本を眺めていた時。
彼女は現れた。

楓「あ、【ぼく】くんだ〜」


う〜ん……と考える仕草で首を傾げながら僕を観察するような目付きで見る、彼女はクラスメイトの【水野 楓】

陰キャの僕とは全く関係の無い人。


楓「ん〜あんま喋ったことないんだよね〜。正直いって怖いし。睨まれそうで。」


そんなふうに思われていたのか、と内心では思ったが、僕には関係の無いこと。


「……」


とまぁ、こんな感じにグイグイと見られても気にならないのは、


“彼女が幽霊だから”

彼女は僕が見えていないと思っている。
だからこんなに色々と呟いてジロジロと見たりできるのだ。

昔っから幽霊の見える体質な僕はそれが丸見え。
今回も無視しようと思ったのだが、知り合いの幽霊となると別だ。


楓「ん〜……でも眼鏡外したら割とイケメンじゃん……?」


その言葉にピクリ、と反応してしまう。
しまった、と思ったが最後。


楓「んん?もしかして君、私の事見えてる?」


「……。」


僕は彼女を全力で無視し、僕と彼女の間で心理戦が始まったその頃。


楓「……ん〜」


彼女がキスしようとしてきた。

「ッッ……わ……っ」


耐えられなくなり、思わず仰け反る。



楓「ほらやっぱり見えてる!!」

「……だからどーしたの?」

楓「君って見える人だったんだ〜霊能力者???」


「ねぇ話聞いてる?」

楓「霊能力者だったら私の事生き返らせるってできる??」


「話聞いてる?」

楓「私が質問してるんだから質問で返さないでよね!」

「こっちのセリフだよ」


そこまで言うと彼女は黙り、しみじみとした様子で言う。


楓「そっかぁ……ごめんね、なんかこの感じ久しぶりでさ、舞い上がっちゃった。」

「そう。……君、いつ死んだの?」


楓「知らないの?クラスで騒いだんじゃないかな。
私が死んだって聞いて。私は本人だから知らないけどね!
君本当に他人に興味無いんだね。」

「そうだね。他人は他人だよ。」

楓「死んだのは…1週間前だよ。」


「死因は?」

楓「覚えてない。1週間前に、気がついたら花瓶の置かれた自分の席に座っててさ、『あれ、私死んだんだっけ』って思っただけでさ。」


「へぇ。」

楓「ほんと君、変わってるね。」

「足がぱったり無くなってる幽霊の君に言われたくないね」


楓「そう言えば私、透けないんだよね。」

「へぇ?初めてだな、そのパターンは」

楓「うん、透けはしないけど、『なかったこと』になる。」


「なるほど」

楓「今ので分かったの?」

「さあ」

楓「……あのさ、」


そこで1度、彼女は深呼吸し、真っ直ぐに僕の目を見据える。


楓「しばらく、君のそばにいていい?」

「…………え?」


突然の申し出に驚く。


楓「ダメ、かな?」

にしし、と笑いながらも眉毛をハの字にし、本気で困っているふうに、胸の前で手を合わせながらお願いする彼女。


「いいけど、なんで?」

楓「いいの!?いいの!?よし!!聞いたからね!!!」

「君に話を聞こうって言う気はあるの?」

楓「ありがとう!お礼何がいい!?キス!?ハグ!?」

「どれも要らない。話を聞きなさいって幼稚園で習わなかった?」


ちぇっ、とつまらなそうにしながらも彼女はかなり上機嫌だった。


「あ、後、そんな簡単にキスやハグをしちゃダメだと思うよ」

楓「……君って優しかったんだね。」

「どういう意味だよ」


そんなこんなで、
ある所で足がぱったり無くなっている幽霊の【水野 楓】との騒がしい日常が始まったのだった。









どうも!こんにちは!こんばんは、そらそらんどせると申します!

名前の癖が強いですね。
僕にはネーミングセンスというものが存在しないのです。

一人称は僕ですが、一応、女やってます。

文才の欠片も無い、クソガキ素人ですが、よろしくお願いします!

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