HoneyとBunny
「入学おめでとー南!」
イェイとピースする衣奈はまだ違和感のあるブレザー姿。
南も同じくサイズの大きいブレザーを着こなせないでいた。
「おめでとさん。で、お前何組。」
「なんと南と同じでしたぁ!」
南はゲェと嫌な顔をして掲示板に貼られたクラスの名簿を見ると、ひと足先に友達と掲示板を見に来ていた彼女の言う通り同じ三組に名前が載っていた。
「はぁ。」
「嫌なん?」
「ため息出るくらいには。」
同じ中学出身の三組は南と衣奈の二人だ。
南はジトリと衣奈を見つめるとため息をついて背を向けた。
圭兎が煩いだろうなぁと唇を尖らせると、ついてくる衣奈と並び教室に向かった。
「まさかと思うけどお前、マネージャーやる気やないやろな。」
「え?まさか。岡高ないやん、それに私部員の面倒みれへんよ。」
「そぉか。」
一年三組、南と衣奈は教室の前で立ち止まると一度目を合わせた。
「ま、友達作り頑張れよ。」
「南こそ。その無口無愛想で友達作り頑張り。」
「余計なお世話じゃ。」
ガラッと扉を開けると二人は黒板の座席表を確認して席に着いた。
金子 衣奈と蜂谷 南、二人はわざわざ出向かないと話す事が出来ない距離になったがちょうど良かった。
「ね、一緒に来たの彼氏?」
衣奈が前から三番目の席に着くと前の席にいた大きなツリ目が特徴的なロングヘアのクラスメイトに声を掛けられた。
「え?」
「一緒に入ってきたし、仲良さそうやったから。」
「違うよ。幼なじみっていうんかな。」
大人っぽい雰囲気の彼女は「へぇ。」と仏頂面な南に視線をやってから衣奈に戻った。
「あたし嘉田 恵里香、そっちは?」
「金子衣奈、よろしくね。」
恵里香は品定めしないような真っ直ぐな瞳で衣奈を見た。
衣奈はそんな彼女の付き合いやすそうな雰囲気に惹かれ、今まで友達になった事がないタイプだが仲良くなりたいと思った。
「衣奈って名前珍しいね。そんでめっちゃ可愛い。」
「そうかな。」
衣奈と恵里香が徐々に打ち解け、互いに口数が多くなると衣奈の隣の席にドンッとカバンが置かれた。
「おッ。もう仲良いんじゃん。」
長めの黒髪に既に着崩された制服、幅広い二重の細いタレ目から放たれる独特な雰囲気に二人は口をぼんやり開けた。
同い年とは思えないと二人は同じことを思った筈だ。
「小竹清依、よろしくちゃ〜ん。」
「え。小竹って西中の?」
「お、知ってんの?」
「知ってるよ。有名やん。」
小竹清依、衣奈もなんとなく聞いたことがあった。
南と圭兎の繋がりのバスケでもなく、ただ目立つから顔が広いから衣奈も知っていた。
「二人は?名前。」
「私が嘉田恵里香、こっち金子衣奈。」
「恵里香と衣奈ちゃんなぁ、おっけー。」
清依が席に着くと、落ち着く間もなく教室の外からお呼びが掛かって出て行ってしまった。
自由そうな彼は男女問わず惹き付ける魅力がある、衣奈も例外ではなかった。
「ねぇ、うちらめっちゃラッキーじゃん。」
「え?」
恵里香が半分興奮して衣奈の肩を揺すぶった。
「小竹清依だよ?!まじで今年の運使こたわ……。」
イェイとピースする衣奈はまだ違和感のあるブレザー姿。
南も同じくサイズの大きいブレザーを着こなせないでいた。
「おめでとさん。で、お前何組。」
「なんと南と同じでしたぁ!」
南はゲェと嫌な顔をして掲示板に貼られたクラスの名簿を見ると、ひと足先に友達と掲示板を見に来ていた彼女の言う通り同じ三組に名前が載っていた。
「はぁ。」
「嫌なん?」
「ため息出るくらいには。」
同じ中学出身の三組は南と衣奈の二人だ。
南はジトリと衣奈を見つめるとため息をついて背を向けた。
圭兎が煩いだろうなぁと唇を尖らせると、ついてくる衣奈と並び教室に向かった。
「まさかと思うけどお前、マネージャーやる気やないやろな。」
「え?まさか。岡高ないやん、それに私部員の面倒みれへんよ。」
「そぉか。」
一年三組、南と衣奈は教室の前で立ち止まると一度目を合わせた。
「ま、友達作り頑張れよ。」
「南こそ。その無口無愛想で友達作り頑張り。」
「余計なお世話じゃ。」
ガラッと扉を開けると二人は黒板の座席表を確認して席に着いた。
金子 衣奈と蜂谷 南、二人はわざわざ出向かないと話す事が出来ない距離になったがちょうど良かった。
「ね、一緒に来たの彼氏?」
衣奈が前から三番目の席に着くと前の席にいた大きなツリ目が特徴的なロングヘアのクラスメイトに声を掛けられた。
「え?」
「一緒に入ってきたし、仲良さそうやったから。」
「違うよ。幼なじみっていうんかな。」
大人っぽい雰囲気の彼女は「へぇ。」と仏頂面な南に視線をやってから衣奈に戻った。
「あたし嘉田 恵里香、そっちは?」
「金子衣奈、よろしくね。」
恵里香は品定めしないような真っ直ぐな瞳で衣奈を見た。
衣奈はそんな彼女の付き合いやすそうな雰囲気に惹かれ、今まで友達になった事がないタイプだが仲良くなりたいと思った。
「衣奈って名前珍しいね。そんでめっちゃ可愛い。」
「そうかな。」
衣奈と恵里香が徐々に打ち解け、互いに口数が多くなると衣奈の隣の席にドンッとカバンが置かれた。
「おッ。もう仲良いんじゃん。」
長めの黒髪に既に着崩された制服、幅広い二重の細いタレ目から放たれる独特な雰囲気に二人は口をぼんやり開けた。
同い年とは思えないと二人は同じことを思った筈だ。
「小竹清依、よろしくちゃ〜ん。」
「え。小竹って西中の?」
「お、知ってんの?」
「知ってるよ。有名やん。」
小竹清依、衣奈もなんとなく聞いたことがあった。
南と圭兎の繋がりのバスケでもなく、ただ目立つから顔が広いから衣奈も知っていた。
「二人は?名前。」
「私が嘉田恵里香、こっち金子衣奈。」
「恵里香と衣奈ちゃんなぁ、おっけー。」
清依が席に着くと、落ち着く間もなく教室の外からお呼びが掛かって出て行ってしまった。
自由そうな彼は男女問わず惹き付ける魅力がある、衣奈も例外ではなかった。
「ねぇ、うちらめっちゃラッキーじゃん。」
「え?」
恵里香が半分興奮して衣奈の肩を揺すぶった。
「小竹清依だよ?!まじで今年の運使こたわ……。」