My Hero
「おっ!お前もヒーローのカッコよさ!分かるのか!?」

私が、不良のことをヒーローっぽいと褒めた瞬間明らかにテンションが変わった。

「好きっていうか、日曜日の朝にやっている戦隊ものならみてたよ。」

「まじかッッ!今やってるやつもスゲー面白れぇーぞ!!俺、全部録画して残してるんだよな~。」

(なんか、さっきまで不良っていう先入観で怖かったけど喋りやすい気がする。)

「へぇー。私もまたみてみようかな。おすすめのシリーズとかあるの?」

確か、戦隊もののDVDなら近場のレンタルショップでも借りられたはずだ。

「あー。それなら———」

「おい、お前ら授業中に何うろついてるんだ?」

背後から男の人の声がした。

「あっ、先生。えっと…。」

おもわず、口ごもってしまった。さすがに、体育服を探しているなんて言えない。

「あー。榊!」

「先生だろーが。夜神!」

なんだか、すごく親しげだ。

「というか、夜神。職員室に来いと言っていただろうが。」

「あー、ごめんごめん。久々に来たら道に迷っちまって。こいつに、道案内頼んでた。」
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