My Hero
夜神君はハッとして頭を下げてきた。

「ごめん…。だったら、俺のしたことってスゲェーお節介だったよな。」

「確かに、最初はえっ?って思ったけど夜神君と榊先生は違うから。」

「夜神君は夜神君なりの正義んがあって榊先生には榊先生なりの正義がある。ヒーローにも色んなタイプのヒーローがいた方がいいでしょ?」

私は、榊先生の対応に助けられているのは本当で夜神君の行いに助けられている人がいるのも本当だ。

「ありがとう…。お前もヒーローみたいに強いじゃん。」

夜神君は照れながら答えた。そんな彼に私は、

「私は、強くもないしヒーローみたいに綺麗じゃないよ。」

そう答えた。私が夜神君の成績をあげるのを手伝うという行為も彼にとっては迷惑だったかもしれない。

「俺は、ヒーローって綺麗なだけじゃないと思ってる。そりゃあ、表向きは綺麗にみせてるけど相手殴って攻撃してんじゃん?俺もだけど…。綺麗なままじゃヒーローにはなれないんじゃね?」

なんだか妙に納得できた気がした。
現実を見て、ヒーローはヒーローになっていくんだ。

「ねぇ…。明日、学校にちゃんと来てね。もう少ししたら、定期テストだから。はい、これ。私のLIMEのID。」

今更、綺麗にはなれない。だけど、誰かの役には立てる気がする。
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