ドジな小説家見習いの冒険
「どうしよう……帆高くんが……」

未来は体を震わせながらその場に座り込む。呆然とするカミーユだったが、大地と瀧に肩を掴まれた。

「村瀬を助けるのがこの小説のストーリーじゃろ?」

「何かあったら責任取ってくれるんだよな?」

怖い笑みを二人は浮かべている。カミーユは「も、もちろん!あたしも一緒に旅をする!」と頷いた。離された肩は二人の力でズキンと痛む。

「二人とも落ち着いて。とりあえず帆高くんが連れて行かれた場所を目指しましょう」

瑠花が大地と瀧に言い、英美里が「この小説のストーリーとリリスの居場所を教えて?」と優しくカミーユに問いかける。

カミーユは頷き、ストーリーなどを話す。そしてリリスが向かった教会にカミーユたちは向かうことになった。



カミーユを先頭に未来たちは森の中を歩いていく。ミーナの書いた小説の中では未来たちは楽しげに話していた。しかし、今は未来たちは暗い顔で何も話さずに歩いている。未来に至っては今にも泣いてしまいそうな表情だ。

「えっと……もうすぐで街に着くよ。街の外れに魔法使いが連れて行かれた教会があるんだ」
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