ドジな小説家見習いの冒険
カミーユはそう言い、未来たちを見る。相変わらず暗い雰囲気だが、もうすぐで帆高を助け出せるということに未来の顔が少し穏やかなものになった。

「悪魔って聖なる教会には入れないと思うんだけど……」

未来がポツリと呟き、カミーユは「教会って言ってももう誰も入らない廃墟っていう設定なの」と言う。美しく厳かな教会は目の前に現れないはずだ。

そんなことを考えているうちに、カミーユたちは不気味な森の出口を通っていた。森を一時間以上も進んで歩いた先に見えた街は、自分が考えたとは思えないほど美しい。

「綺麗……」

瑠花の呟きにカミーユも「あたしもびっくりしてる」と頷く。石畳みの道にオレンジの屋根の家々が所狭しと並んだ街は風景画を描きたくなるほど美しい。

未来たちはしばらく街並みに見惚れていたが、瀧がすぐに「あそこを見ろ」と上空を指差した。上空には黒い羽をした悪魔や不気味なゴーストなどが飛んでいる。

「みんな同じ方向に向かって飛んでいるね」

「きっと教会に向かっているんだ……！」

英美里と未来がそう言い、大地が「早く村瀬を助けに行こう！」と街に向かって歩いていく。カミーユたちも慌てて大地のあとに突いた。
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