ドジな小説家見習いの冒険
「何じゃけ。この賑わいは……」

街中に入った刹那、瀧が顔をしかめる。カミーユは複雑そうな顔をする未来たちを見て苦笑いするしかなかった。この街では今、盛大なお祭りが行われている。

「ただ暗い空気の中旅するのはあれかなって思って〜」

カミーユはそう言ったものの、未来たちの複雑そうな顔は変わらない。街は盛大なパレードが行われ、人々は食べたり飲んだり話したりと忙しそうだ。しばらくすると軽やかな音楽が鳴り響き、街の人たちはダンスを踊り始める。

「仲間が攫われとるのに祭りに参加するわけないじゃろ」

瀧がそう言い、未来たちも「行こう」とカミーユの手を引く。せっかく未来たちのためにこのシーンを書いたのにな、とカミーユが残念に思いながら歩いていると、未来たちの前にお酒を飲んで酔っ払った男性や女性たちが立ち塞がる。

「お嬢ちゃんたち、せっかくのお祭りだぜ？踊りもしないでどこに行くんだよ」

「お姉さんたちとおいしいもの食べない？」
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