ドジな小説家見習いの冒険

「俺と踊ろうよ！」

男性たちに迫られ、未来たちは強引に手を掴まれる。そして無理やりお祭りに参加させられることになってしまった。

「あ、あの！あたしたち攫われた大切な人を助けなきゃいけないんです！」

未来や瑠花たちがそう言ったものの、男性たちは「まあまあ楽しめ〜！！」と椅子に強引に座らされたカミーユたちの前にジュースやらピザなどを並べ始める。そしてダンスに無理やり付き合わされて、数時間お祭りから抜けられなかった。

「やっと帆高くんを助けに行ける……」

何とか男性たちから逃げ出したあと、未来が息を吐きながら言う。楽しいお祭りを書いたのに、未来たちは疲れている様子だ。癒されなかったのかな、とカミーユは寂しさを感じながらジュースを飲み干す。

「とりあえず！カミーユ、村瀬のいるところまで案内してくれ」

大地がカミーユを見つめ、カミーユは「わかった。こっち」と言い歩き出す。再び歩き始めると未来たちの顔は真剣なものになり、疲れを見せない。それがカミーユにとって不思議だった。