ドジな小説家見習いの冒険
ミーナの家では、土曜日になると小説家になりたい人たちが集まって小説を書き、それをミーナに指導してもらうという教室が開かれている。カミーユ・アジャーニはその教室が開かれて頃から通っている。

「カミーユ、優秀だな。一度も休んだことがないのはお前だけだぞ」

豪華な調度品が並べられたリビングに入ると、赤いリボンのついたロリータ服を着たミーナが微笑む。褒められたことが嬉しく、カミーユは笑った。

「そんなことないです！早く小説家になりたいだけですから！」

「いい心がけだ」

ミーナはそう言って微笑んでいるが、指導教室が始まればスパルタ教師となってしまう。そうなればあの微笑みも消えるのだ。

「では授業を始める！今日のテーマは恋愛。各自自分でストーリーや登場人物を考えて書くように。始め！」

ミーナがそう言い、座り心地のいい椅子に座っているカミーユたち生徒は一斉に手元に並べられた紙にペンを走らせる。カミーユも登場人物やストーリーを先に別の紙に書いていく。
< 2 / 25 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop