ドジな小説家見習いの冒険
絶望が襲い、カミーユが泣き叫んだその時だった。バチンと音が響きリリスの動きが一瞬にして止まる。リリスだけでなく、悪魔やゴーストの動きも止まっていた。

「どうなっているの?」

瑠花が悪魔の腕を振り解き、大地の閉じ込められている檻を開ける。英美里や瀧、そして未来も悪魔たちの腕から脱出した。

「帆高くん!!」

未来がその場に崩れ落ちている帆高に駆け寄ると、帆高に抱き締められる。未来は顔を赤くし、帆高は未来に頭を押し付けながら言った。

「助けに来てくれて、ありがとう。好いとうよ」

帆高にそう言われ、未来は「助けられてよかった」と嬉しそうに笑う。カミーユが見た中で一番の笑顔だ。未来たちを見つめる瑠花たちも優しい目をしていて、カミーユは驚いてしまう。

「小説を誰かに書かせるというのは簡単なものではないんだ。これでわかっただろ?」

聞き慣れた声にカミーユが振り向くと、腕組みをしながらミーナが立っている。その隣にはミーナの担当編集者であるシトロン・ボードレールもいた。
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