ドジな小説家見習いの冒険

「ミーナ！シトロン！」

未来たちもミーナとシトロンの姿に気付き、驚いた顔を見せる。そして「久しぶり」とみんな嬉しそうな顔をした。

「カミーユさん、先生は楽をしてあの小説を書いたと思う人もいます。でもあの呪文はただ唱えるだけではダメなんです。小説の中に人間を召喚するーーーそれはとても負担の大きなものなんです。人間を召喚した際に小説の中に乱れが生じ、自分の思っているものとは違うストーリーになってしまうこともあります。それをミーナ先生は外から他の呪文を唱えて修正してあの小説を書き上げたんです」

シトロンの言葉にカミーユは「そうだったんですね」と俯く。軽い考えで未来たちや自身を危険に晒してしまったのだ。

「全く！お前という奴は……。一から修行し直す必要があるな」

ミーナがそう言い、カミーユは「申し訳ありません、先生……」と謝る。そして未来たちの方を向いて「ごめんなさい」と頭を下げた。

「……気にすんなよ、過ぎたことだし」