ドジな小説家見習いの冒険
大地がそう言い、カミーユの頭に優しく手を置く。カミーユが顔を上げると未来たちは穏やかな顔をしていた。

「まあ、めちゃくちゃな冒険もありじゃろ」と瀧。

「帆高くんが無事に助けられたから」と瑠花。

「この衣装、すごく可愛い!もう一度小説の中に入れてドキドキした」と英美里。

温かい言葉にカミーユは胸が熱くなる。そして帆高と未来に見つめられた。

「もう一度こんな風に冒険ができるなんて思わなかった。楽しかったよ!」と未来。

「ヒヤヒヤしたこともたくさんあったけど、楽しかったけん。修行、頑張れ!」と帆高。

「ありがとう……!」

カミーユは嬉しさから涙をこぼす。それを見たミーナはパチンと指を鳴らした。その刹那、リリスや悪魔たちの姿が消えてボロボロの廃墟だった教会が美しいものに変わっていく。

「物語には必ず終わりがある。お前の小説の最後はどんなものだ?」

ミーナがそう言い、カミーユは涙を拭う。この物語の最後はハッピーエンドだ。涙なんて似合わない。笑って全てを終わらせたい。
< 22 / 25 >

この作品をシェア

pagetop