ドジな小説家見習いの冒険
「この前、ケーキがおいしいカフェを見つけたの」

「このドレス、とっても素敵でしょ？お父様に買ってもらったの！」

「教室が終わった後のお茶会、今日はどんなお茶が出るのかしら？前に出してもらったローズヒップティー、とてもおいしかった」

生徒たちは輪をそれぞれ作って話し出す。カミーユも教室で一番仲のいいジャンヌのグループに入って話していた。その中にはミーナもいて、最近話題の小説の話で盛り上がる。

「ごめんなさい！ちょっとお手洗いに……」

カミーユはトイレに行きたくなり、リビングを出る。トイレに行くのは初めてではないので、広いこの屋敷の中をカミーユは迷うことなく歩いていった。

トイレから出た後、リビングに戻ろうとしたカミーユはふと前を見て「あれ？あの部屋のドアが開いてる……」と呟く。そこはミーナが執筆をする時に使う部屋だった。

カミーユたちは、執筆をするために使っている部屋以外なら自由に出入りしてもいいとミーナに言われている。しかし、カミーユはずっと大人気作家のミーナの執筆部屋を見たくてたまらなかった。しかし、部屋にはいつも鍵がかけられていたのだ。
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