お医者さんとの恋[短編]
「花音ちゃん、力入ってたら痛いから、楽にして 」
何もできないから、腕にグッと力が入ってしまったみたいで、優希先生に擦られる。
「息苦しくて難しいかもしれないけど、
フーって息吐いて… ほら、フーだよ…」
「フーっ …ゴホッ…ゴホッ 」
「よしよし上手だよ。じゃあ一瞬我慢だよ 」
冷たいものが腕に当てられると、
すぐに鋭い痛みだ走った。
意識が腕に集中しているからなのか、さっきやられた点滴と比べ物にならないほど
…ものすごく痛い。
「やっ…グスッ、ゴホッ…ゲホッ…ゲホッ 」
喋れないような状態なのに、
泣き声をあげてしまったから、呼吸困難になってしまった。
…息できない。
こんなに辛いの生まれて初めて。
優希先生助けて。
「花音ちゃん、落ちついて。俺がいるから大丈夫だよ
深呼吸だよ。吸って、吐いて 」